この記事では
教師の経験をアピールに変換する職務経歴書
の書き方を、取り扱う項目ごとに解説します!
- 職務要約
- 職務年表
- 職務内容
- 入社後生かせるスキル・経験
- 自己アピール
- 主な実績
どうしてこれらをピックアップするの?
一般的な職務経歴書と何が違うの?
といった疑問にはこちらの記事で解説しています!
”教師の経験をアピールする”職務経歴書の書き方!
【職務経歴書で扱う項目】①職務要約
職務要約は教師の経験すべてを要約した内容であるため全ての項目の要点をピックアップしたものになります。
記載する内容としては
勤務年数
従事した業務概略
実績
自己アピール
が中心となります。
私が実際に使用したものを例として挙げてみると…
- 勤務年数
- 12年
- 従事した業務
- 教科指導、担任業務、進路指導、クラブ指導
- 実績
- 国公立大学合格率◯%(全国上位)
- 教科指導業務改善の一環としてICTの導入を推進し、最大40%の効率化を達成
- 県大会初戦敗退のクラブを2年で上位大会へ導く
- 自己アピール
- 進路指導のアプローチが業務アプローチと類似
- タスク管理能力
職務経歴書は基本的に文章で記すため、箇条書きになっている情報を文章化していきます。
大学卒業後、高等学校国語科教諭として県立高等学校に12年間勤務。教科指導、担任業務、進路指導、クラブ指導など多岐にわたる業務を通して生徒の自己実現を支えました。進路指導において国公立大学高確率◯%(全国上位)を実現。教科指導ICTの導入を推進し、最大40%の効率化を達成。県大会初戦敗退のクラブを2年で近畿大会出場に導く。県大会初戦敗退のクラブを 2 年で上位大会出場に導く。面談による生徒理解と進路軸の明確化→志望校や求人のリサーチと提案→応募書類添削・面接指導→受験後のフォローという流れを経験しております。複数の業務を並行して行い、タスク管理能力にも自信があります。
多くの情報がある中で、ピックアップするポイントは各項目で最もアピールできると思われる要素、言い換えると
求人業務と最も親和性のある要素
です。
アピールポイントとして求人業務と同じ表現にしたり、一般化したいところですが、
”職務要約”
であるため教師の業務を挙げる必要があります。
【自己アピール】や【生かせるスキル】などで一般化したアピールはしっかりとできますので、この項目はその前段階として使用する業務を簡潔に挙げることを意識して作成しましょう。
こちらの項目は全ての項目に関連しているので、最後の仕上げとして書き上げるのも良いかもしれませんね。
”教師の経験をアピールする”職務経歴書の書き方!
【職務経歴書で扱う項目】②職務年表
この項目の作成はシンプルです。
いつ・どこで・どんな役職として勤務したか
を年表とするだけなので事実を書き入れるだけですし、履歴書からの流用も可能です。
配属・異動時期 | 配属先 | 職名 |
---|---|---|
2012年4月- | A高等学校 | 講師 |
2013年4月- | B高等学校 | 講師 |
2014年4月- | C高等学校 | 講師 |
2015年4月- | D高等学校 | 教諭 |
2019年4月- | E高等学校 | 教諭 |
2023年4月- | F高等学校 | 教諭 |
この項目は職務経歴書の必須事項のようなものですので、アピールに繋がらなくても書かざるを得ません。
どの学校に勤務したとしても根本の業務は変わりませんし、採用担当者もこの表から読み取ることのできる情報に大きな関心はありません。
この表が話題の起点になることも少ないでしょう。
でできるだけスペースを小さくできるよう上記の表ぐらいで十分です。
”教師の経験をアピールする”職務経歴書の書き方!
【職務経歴書で扱う項目】③職務内容
民間企業に勤めている方も職務経歴書に記載する【職務内容】ですが、教師から転職を目指す方とその内容が少し異なります。一般的な職務経歴書の【職務内容】には
会社概要
職務経歴
実績
役職・役割
がありますが、”会社概要”や”役職・役割”は省略可能です。
勤務先が「学校」でしかない教師は、どういった特徴の学校かを説明してもアピールにならない。
進学校であろうが、いわゆる困難校であろうが関係はない。
会社の序列はある程度共通認識を持てるが、教師の役職は民間企業と相関がない。
主幹教諭、指導教諭、進路指導部長などを表記するスペースよりも一般化したアピールに文字を割きたい。
実績もここに含まれる。
上記の内容を省略すると、実績と職務経歴が残りますが、”実績”は独立して扱いますので、ここで扱うものは職務経歴のみとなります。
職務経歴というと本来は
業務内容
対象顧客
業務から抽出したアピールポイント
などを勤務した企業や配属先が変わる度にまとめます。
所属が変わる度に業務内容が変わるからですね。
顧客や扱う商材などに違いはあるかもしれませんが、特殊な職種でない限りある程度業務内容をイメージすることはできます。
そのため各業務の詳細を挙げる際に、アピールを添えておくと情報を確認しやすい書類となります。
しかし、教師はその特殊な業種・特殊な職種に該当してしまいます。
対象顧客は生徒(家庭)でしかありませんし、人事異動の度に業務内容が大きく変わることもありません。
またアピールに関してもある程度の説明を有しますので、【自己アピール】の項目で独立して説明した方が有効だと思います。
そのため、
従事した業務を勤務校ごとでなく、ひとまとめで載せる
という表記で十分となってしまいます。
基本的にはこれまでの教師経験で従事してきたものを全てあげてかまいません。
スペースを取りすぎてしまうのであればアピールで使用する業務を抽出するようにしましょう。
- 教科指導(週16~18時間、4、5種類の授業を実施)
- クラス担任(担当クラス生徒への諸連絡、進路指導、保護者対応)
- クラブ指導(技術指導、大会への生徒引率、部費会計)
- 校務分掌業務(各行事を担当する特別活動部、生活指導部、進路指導部に所属)
書き方としては
職務の名前(具体的な内容や数値的な説明)
として”かぎ括弧”( )の中にアピールに使用する業務を挙げて、自己アピールに繋げられるようにします。
記載する部分がシンプルで工夫できる部分が少ないとはいえ、職務経歴書はアピールの場です。
少しでもスムーズにアピールができるような構成にすることを心掛けましょう。
”教師の経験をアピールする”職務経歴書の書き方!
【職務経歴書で扱う項目】④入社後生かせるスキル・経験
この項目で挙げる項目は
教師の経験の中でアピールになると判断した内容をを一般化したもの
です。
この記事で私は自分自身のアピールポイントを次のようにまとめました。
- プレゼン力、人前で話す経験
- 自己実現をサポートした伴走経験
- 傾聴力
- タスク・スケジュール管理(顧客)
- 同僚への指導経験
- タスク・スケジュール管理(自分)
- 業務改善経験
- 基本的なパソコンスキル
その中で先ほどの職務内容例と対応するアピールポイントはこちらです。
- プレゼン力、人前で話す経験
- 自己実現をサポートした伴走経験
- 傾聴力
- タスク・スケジュール管理(自分)
- 業務改善経験
- 基本的なパソコンスキル
職務内容 例 ※クリックすると開きます※
- 教科指導(週16~18時間、4、5種類の授業を実施)
- クラス担任(担当クラス生徒への諸連絡、進路指導、保護者対応)
- クラブ指導(技術指導、大会への生徒引率、部費会計)
- 校務分掌業務(各行事を担当する特別活動部、生活指導部、進路指導部に所属)
この項目は採用担当者が職務経歴書を見た際に、求職者の強みを瞬時に判断するためのものだと思います。
ここでは次の【⑤自己アピール】や【実績】で取扱う教師の経験に該当するものを箇条書きでピックアップします。
また、自己アピールや実績で扱うまでいかないけれど、アピールとして扱うことができると考える項目はここでまとめておきます。
自己アピールや実績に関わるものは取り上げるのは当たり前ですが、後の項目で詳しく説明できます。
そのため、ここでしか扱わない小さなアピールポイントも面接では生きてくることがありますので、案外そちらのほうが大切かもしれません。
例えば【基本的なパソコンスキル】は説明はそれほど必要ありません。
しかし、これだけだとどれほどのレベルなのかを把握することができません。
そこで、
タイピング1分間に約 330 字程度
Word 中級レベル(差し込み文書作成、挿入機能全般、書式設定全般等)
Excel 中級レベル(条件付き書式設定、IF 関数、VLOOKUP 関数、ピボットテーブル作成等)
PowerPoint 中級レベル(表グラフ挿入、グラフィック機能の活用等)
というように具体的にまとめてみると良いと思います。
”教師の経験をアピールする”職務経歴書の書き方!
【職務経歴書で扱う項目】⑤自己アピール
職務経歴書を作成するに当たり、最大のポイントと言えるのが【自己アピール】です。
この書類で挙げられるすべての情報がアピールではあるのですが、【自己アピール】の項目には
求人業務に最も生かすことのできる経験やスキルが挙げられる
最も多い文量で説明ができる
という特徴があります。
そのため作成に力が入るのは当然ですね!
アピールポイントの選別はこちらで方法を提示しています。
その上でここでは文章化のポイントについて説明していきたいと思います。
教師から民間企業へ転職を目指す場合には、この項目は特に注意が必要です。
なぜならアピールするものの中には一見すると経験やスキルの親和性を見出すことができないものがあるからです。
例えば自己アピールで扱う項目として
プレゼン経験
を挙げたとします。
普通に考えると、一般的にイメージされる教師の業務に”プレゼン”はありません。
何を”プレゼンである”とみなしているのかというと、”授業経験”です。
この場合は”授業”≒”プレゼン”として経験の豊富さをアピールしていこう、ということなのですが、どうしてこの式が成り立つのかを説明しなければなりません。
そのため、
教科指導は…
・自身が有する情報を相手に伝える”情報伝達”である
・対象生徒の心を掴むアプローチである
・相手に理解と納得を引き出す行為である
・相手の反応を見ながら臨機応変にアプローチをする行為である
といったプレゼンと共通した特徴を説明の中で挙げる必要があります。
教師の業務とアピールする項目の繋がりを文章化し、可能であれば数値を添えることで具体性、説得力を上げます。
教科指導は情報伝達の1つであり、対象生徒の心を掴み納得を促すプレゼン業務であると言えます。毎回 30〜40 人を前にした約1時間の授業を年間 600 回以上行なっています。最大 1000 人以上を前に講義をした経験もあります。また毎週 4、5種類のプレゼンを新たに作成するため、短時間で完成度の高い資料を作成することができます。
【説得力を上げる】数的根拠を示す、ということ
ここで
数値を添えることの重要性
について補足しておきたいと思います。
何かを高評価したり信頼したりするときに、それを可能にしている要因はなんだと思いますか?
「私はバク転ができる」
ということに対して、どうすれば信じることができるでしょうか?
答えは簡単、実際に見せるということです。
しかし、書類や面接の場では実際には見せることができないものがほとんどです。
そのため別の方法で信用を集める方法が必要なのですが、それが具体性を示すということです。
「タスク管理能力がある」というアピールを例にしてみたいのですが、これを面接で実行することは流石にできません。
そのため
1日に10種類を超える業務を並行して行ってきた。
家庭への連絡は保護者の仕事が終わる放課後、昼休憩中に授業以外の進路指導など行える時間が限定される業務を抱えながら週に4種類(8クラス)計18時間の授業の実施と準備も行う。
放課後にはクラブ指導も行っている。
というように具体的な取り組みをあげることで”確かに色々な業務を滞りなく行えているのだな”という印象=アピールへの信頼を持ってもらうことができます。
ここで重要なのが具体的な取り組みを示すということはもちろんですが、
数値で表す
ということもまた必要です。
数字は、どの業界・職種でも共通して使われるものですので、そういった共通言語とも言える数字を利用することで理解をしてもらいやすくなります。
「たくさん行う」よりも「週に50回行う」と表現したほうがイメージしやすいですよね!
民間企業は
数字を追った経験
を重要視し、それを面接でも尋ねられることが多いのでその布石として利用することができます。
教師は利益(金銭)を追求した経験がない
という事実から
教師は数字を追ったことがない
と考える方も多いですが、この2つは全く違います。
教師は数字を追求する経験をしっかりしています。
それらを示すことで業務を行った中での実績にも繋がり、評価の高い書類並びに面接になるのだと思います。
説得力を持たせるための数的根拠を見出す際には
- 【期間・回数について】
- 何年間継続して
- どれだけの間に
- 合計で何回
- 1日何回(時間)
- 週何回(時間)
- 年間何回(時間)
- 【対象について】
- 合計何人に
- 1回で何人に
- 連続で何人に
- 【数的変化】
- 何から何へ
- 何%変化
- 【幅の広さ】
- 何種類、どの程度
に注目すると作業を行いやすいと思います。
これまでに使用してきた例使うと、
・1クラス40人の担任を8年間経験=320人を担任
・8年間のうち4回の3学年担任経験=120名の進路実現に深く関わる
・指導したクラブを顧問就任2年目で上位大会へ
・1年間地区大会未勝利のクラブを半年で近畿大会出場校を相手に惜敗するところまで成長させる
というようになります。
これを見て分かるのは、1つの具体的事項に複数の数的根拠が含まれていることが多いということです。
そうすることでアピールごとの説得力を強めることができますし、採用担当者に業務を想像してもらいやすくなります。
”教師の経験をアピールする”職務経歴書の書き方!
【職務経歴書で扱う項目】⑥実績
この項目はシンプルな作業です。
前項目自己アピールの【数的根拠】となる具体的なものの中からアピールとなり得る実績をピックアップします。
その際、選ぶポイントとしては
業務改善に携わったもの
他者の利益に繋がったもの
【⑤自己アピール】に関連しているもの
を選ぶと良いと思います。
求人業務に適う人材であるかどうかは、言い換えれば金銭的利益を生み出すことができる人材であるか、ということです。
そして金銭的利益は顧客の要望に答えることで発生します。
業務の対象が顧客でなかったとしても、対象者の利益に繋がる行為が回り回って顧客の要望を叶えることに繋がります。
そのため、職種研究・求人研究で行った【業務の対象】に対する行動と似た実績を挙げると良いと思います。
また教育活動も民間企業での利益追求行為も、常にアップデートされていきます。
より良いものを追求していくことで室の高いサービスを提供することができますので、そういった”業務改善”に携わった経験もピックアップすると良いアピールになるでしょう。
各項目の解説はこれで終了です!
これで教師の良さをアピールできる職務経歴書が作れますね!
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