就活や転職活動での最大の難関と言える面接。
選考の最後に設けられることがほとんどで、複数回実施されることもあります。
転職活動では書類選考・適性検査も行われますが、その難易度は段違いです。
対策も幅広くなり、難しさが格段に上がりますよね…。
この記事では
どうして面接は難易度が高いのか
面接で高評価を得るためのポイント
について解説していきたいと思います。
面接が苦手な理由…?どうして面接は難しいのか?
選考の中で面接が一番苦手だ…。
と思っている人は少なくないと思います。
ここでは面接がどういったものなのかを確認しながら、面接が難しいと言われる理由を解説します!
- 面接の主体が採用担当者であるから
- 面接がコミュニケーションの延長であるから
面接が難しいと言われる理由…。
面接の主体が採用担当者であるから
初めに面接はどのような位置づけとして行われるのでしょうか?
【求職者側】
自分自身が希望求人に適う人間であることをアピールをする場
【企業側】
求職者が募集求人に適う人間であるかを確認する場
求職者は、これまでの経験と求人の業務内容のリンク示し、”類似の経験をしているため業務に対応できる”ことをアピールします。
履歴書や職務経歴書、適性検査などとその役割は変わりません。
大きな分類としては同じ目的のために用意されたものですが、そのアピールの方法は異なります。
- 履歴書
- 求職者がアピールできる経歴を時系列で示す
- 職務経歴書
- 求職者自身が考えるアピールポイントを独自の様式で示す
- 面接
- 企業側が用意した確認事項を求職者に尋ねる形で進行する
履歴書や職務経歴書と面接の大きな違いは
主語の違い
です。
履歴書と職務経歴書は求職者発信のものであるため、アピールしたい内容も求職者に委ねられます。
一方、面接の主体者は企業で、企業の用意した質問事項に求職者が答えるという形式で進行します。
そのため面接における質問内容は
企業が求人の業務内容の遂行に必要な素養を求職者から見出すこと
を目的としたものになっています。
そして”採用する人材を選ぶ”ということは同時に”不採用にする人材を選ぶ”ということでもあります。なので…
求職者にとって都合のいい質問ばかりではない
ということを理解しておかねばなりません。
未経験業界・職種への転職をするということ
教師から未経験業界・未経験職種へと転職を考える求職者を採用することに特に不安が大きいのは否めません。
それは教師希望者を面接するときに、
教師経験は全くなく、これまで企業で働いていました。
来年度からは教師として働きたいと考えています。
という教師希望者に対して、不安を感じるのと同様です。
その職業に従事したことがないため、本当に活躍できるのか、対応できるのか確証が持てないからですよね。
同じ心理が、民間企業の採用担当者にも働いています。
教師から民間企業への転職を考える方は、特に不利なスタート状況をよく理解し、
教師の経験を応募求人の業務に生かすことができること
応募求人の業務に十分対応することができること
他の求職者よりも活躍できること
アピールをする必要があります。
業務の遂行が可能であるということを質問への返答という形式で行う
ということが何よりも重要視されますね。
面接が難しいと言われる理由…。
面接がコミュニケーションの延長であるから
どの選考でも求人の業務に適応できるかどうかをアピールすることに変わりはありません。
その中でも特に面接が難しいと言われるのは
コミュニケーションの延長線上で行われるから
ということが理由として挙げられます。
書類選考も適性検査もアピールする求職者ターンと選別する採用担当者ターンは完全分かれています。
その一方、面接は
会話の話題が”求職者求人業務にかなう人物かどうか”
という建付けになっています。
- 求職者が採用担当者を説得しなければならない
- 採用担当者は好意的には見てくれていない
- 回答に時間制限がある
- 質問が多様すぎる
生活をしていると
新しいトレーニング器具が欲しいんだけど…。
どうして買わなくちゃいけないの?
という場面はどこにでもあると思います。
このシチュエーションで筋トレ道具を帰る可能性が高くないのは想像できますよね…。
会話の話題が”求職者求人業務にかなう人物かどうか”というのはこれと同様だと思ってもらえるとその難しさがお分かりだと思います。
また会話をベースとして行われるということは、
どれだけ完璧な回答を用意しても会話のペースを壊してしまうと評価されない
ということも念頭に置かなければなりません。
考えすぎて時間がかかりすぎてもダメだし、話が長すぎてもダメ。
話し方も含めて評価されてしまいます。
これから何を話すのかを理解してもらう
面接のテクニックのポイントを挙げると”結論から話す”、”根拠を示す”、”複数示すときにはその数を示す”など細部に関するものは多くあります。
〇〇です。その理由は2つあります…。
という構成はよく耳にしますよね。
こういう方法論は
相手に今何の話をしているのかを把握して聞いてもらうため
に用いられます。会話は耳からしか情報を得ることができません。
そして、音としての情報は頭に入ってきづらい傾向にあります。ですので、
あなたの質問に対する答えはこれですよ。
そう私が考えるのは〇〇だからですよ。
〇〇っていうのは…ということですよ。
というように文字で追うよりも丁寧に回答の段階を説明する必要があります。
面接で高評価を得るための2つの大きなポイント
自分のペースでアピールポイントを発信することができないため面接は難しいと言われますが、非常に大切なポイントがあります。
それは一貫性を持たせるということです。
この話はよく聞くものですが実際に行うのは難しいものです。
それを実現させるための手順をお話したいと思います。
- 予想質問集を作る
- 質問を分類する
- 分類に共通する軸(一貫性)を作る
- 軸(一貫性)に基づいたる回答を作る
大体の面接対策は①と④だけで、その間の【②質問を分類する】と【③分類に共通する軸を作る】を抜いて説明されることが多いのではないでしょうか。
私も実際、面接対策の書籍をいくつか読みましたが、この部分に触れているものはありませんでした。
この手順が非常に重要であるにも関わらず、省略されているために面接対策で苦労されている方が多い印象を受けます。
「一貫性を持たせる」ということは、すべての回答に共通した軸を持たせるということではありません。
分類した質問の中で共通した軸を持っていること
その軸が【過去の経験→教職の経験→求人の業務】へと繋がっていること
この2点に注目して回答を用意していくと、ブレない回答を生み出すことができます。
例えば求人の業務がコンサルやアドバイザーの方の
【過去の経験、教師を志した理由、転職理由に関する質問】を考えてみると、
【過去の経験】
地域の子どもとして町ぐるみで大切に育てられた
【教師を志した理由】
育ててくれた地域への恩返し
人と深く関わる仕事に就きたい
【コンサル・アドバイザーへの転職理由】
より大きな舞台で人に寄り添いたい
これを見ると”人と親身に関わること”が共通しているということが分かり、その舞台を【生まれた町→地元地域→全国】へと拡大させるということを軸として用意してみました。
どうして大きな舞台に展開させたいのかということに関しては補足説明が必要ですが、
自身の職業感についてはこの軸に繋がるように答える
という指針を用いて対応するようにします。
そうすると準備していなかった質問に対しても、これまでの回答とズレることなく答えられるので
一貫性を担保する事ができます。
一貫性を持たせる「軸」とは?
すでに何度も「軸」という言葉が出ていますが、これに関してはこちらの記事で紹介しています。
一部を抜粋すると
では次の項目からは、具体的な質問例に注目して考えていきたいと思います。
上記の記事では自己分析を行うことで過去を振り返り、自分自身の選択の経験とその背景を整理しました。
そして先程挙げた手順の
③分類に共通する軸(一貫性)を作る
④軸(一貫性)に基づいた回答を作る
は振り返りの使用する部分を選ぶ作業であると言えます。
ここでは”軸”と”一貫性”を同列に扱っていますが、実はその内容は違っています。
”軸”=自分にとって大事なこと
”一貫性”=そう考えたら、そうなるよねという納得感
”軸”を見出すのが自己分析の行程ですね。
面接対策のキーワードは”かつ”、”AND”。
自己分析によって見出した軸を使って一貫性のある面接対策を行うわけですが、この行程のキーワードは
”かつ”、”AND”
です。
何かを選択する背景は複合的なものです。
そのひとつひとつに注目してみると選択の幅が広いだが
その条件すべてに合致しているものはこれしかない
と説明するための”かつ”、”AND”です。
教師という職業を選んだ理由について説明する際、
町ぐるみで育ててもらった→地域への恩返し→教師
先生に親身になってもらった→人と深く関わる職業につきたい→教師
大学での文学の専門性を生かしたい→教師
を挙げたとします。これには、
他の選択肢もあるんじゃないの?
と指摘される懸念があります。
町ぐるみで育ててもらった→地域への恩返し→市役所・町村役場
先生に親身になってもらった→人と深く関わる職業につきたい→ウエディングプランナー
大学での文学の専門性を生かしたい→編集者
でもいいんじゃないの?と思われるかもしれません。
それに対して。
地域への恩返しができる職業
かつ(AND)
時間を掛けて人と深く関わることができる職業
かつ(AND)
文学の専門性を生かすことのできる職業
↓↓↓
教師という選択
全ての条件を内包する選択が教師だったと説明するためのものが”かつ”(AND)です。
多くの回答をこの意識で構成すると、理由の厚い説得力のあるものになります。
では、次からは実際に転職活動でよく聞かれる質問に対する対策を行っていきましょう!
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