2024年3月に12年勤めた高校教師を辞め、4月に会社員として勤務し始めて半年が経ちます。
この半年間は環境の変化が大きく、日々を必死に過ごす中であっという間に過ぎていきました。
そんな中でふと、
もう一度教師に戻るとしたならば、転職選択するだろうか…?
と思ったことがあったので、今回は
教師から民間企業への転職を再度を選択するかどうか
について考えてみたいと思います。
もし当時に戻ったならば…。
私は転職という選択をしただろうか?
先に結論からお伝えすると、
私はたぶん転職を選択しない
と思います。
その理由は下記の通りです。
- 会社員の大変さが分かったから。
- 教師の面白さに気づいたから。
- 公務員の福利厚生の抜群さに気づいたから。
私が転職という選択を選ばない理由…。
会社員の大変さが分かったから。
私は転職業界にてキャリアアドバイザーとして勤務しています。
平たく言えば営業職ですね。
営業になるということは、自分自身の働きが売り上げに直結しますし、その売り上げが自分の評価に直結するということです。
評価は昇進や昇給、ボーナスに影響します。
当然の話ではありますが、自分自身が成果を出せないと自分の待遇が良くなることはありません。
そのためずっと数字に追われることになります。
その数字の達成が簡単なものならば問題はありません。
ゲームであれば、経験値を積めばどんどん強くなっていきますが、そんなにうまくはいきません。
私自身、営業活動を開始してからはなかなか成果が出ない苦しい時期を過ごしていました。
それが毎日少しずつ重くのしかかってきます。
今のままでは到底昇進や昇給、満足いくほどのボーナスを得ることなんてできません。
そう簡単な世界ではないんだな、と痛感する毎日です。
今月はありがたいことに、調子よく終えられそうなのですが、
このレベルを継続していかなければならないのか…。
と高い壁を感じています。
しかも、好成績を繰り返してやっともらえるボーナスが教師時代とそれほど変わらないというのも苦しいところです。
せっかく営業として頑張るのであれば、教師時代を超える成果を得たいと常々思っています。
そこに到達できるのがかなり大変なんだな、ということを知った現在では生半可な気持ちで転職を選択できません。
私が転職という選択を選ばない理由…。
教師の面白さに気づいたから。
教師を辞めて失った業務の中で、少し寂しいと思うものがあります。
- 教材研究・授業研究
- 過去問添削・共通テスト対策
- クラブ指導
これらに共通しているのは研究です。
授業にしろクラブ指導にしろ、
もっとうまくできないかな、もっと効率よくできないかな…。
と思いながらブラッシュアップをする作業が好きでした。
そして教師は実践したものの反応を見て、推敲する機会が多くあります。
この、”ある事柄を洗練していく”という作業が教師の魅力なのだと気づきました。
営業職も自分の営業スキルを磨く行為であると言えるかもしれません。
ただ、教師はその種類の多さと自由度の高さが段違いだと思います。
アプローチは教師によって異なりますし、使用するツールも違います。
また国語教師だった私が、教師を辞めて寂しく感じたことで意外だったのが
国語に携わることができない
ということでした。
私は過去に教科を変えようと思ったくらいに国語科が嫌になったことがあるのですが、そこから離れて実はちゃんと好きだったことに気づきました。
特に生徒が解いた大学入試の過去問を添削したり、自分自身が問題を解いたり、共通テストに挑戦したり…。
国語の問題を解くということが好きだったんだというのが自分にとって新しい発見でした。
仕事をしているとなかなか国語の問題に触れる機会もないので、それを失ったのは意外な寂しさでした。
私が転職という選択を選ばない理由…。
公務員の福利厚生の抜群さに気づいたから。
公務員の福利厚生の良さは段違いです。
特に有給の取得は全く異なります。
私が勤めていた自治体では教諭は20日の有給が付与されていたと思います。
そして、前年度に使いきれなかった有給を10日分上乗せでき、合計で30日ほどの有給があったのではなかったかと記憶しています。
これもかなりあいまいなのですが、普通に働いていると有給の残り日数を気にすることがないほどの潤沢な日数でした。
会社員の場合はそうはいかず、法廷通りの10日が普通です。
またその中の半分ぐらいを計画有給として扱う企業もあるため、実質5日しか有給を取れないこともあります。
また病休や産休・育休の取りやすさにも大きな違いがありますよね。
教師時代は、
休みなんか取れないよな…。
と思っていましたが、副担任や副顧問など複数の教員で分担して受け持つものもありますし、考査期間や長期休みなどで時間の余裕を持つことができる期間もあります。
そのため上手く段取りをつけて午後から有給や、数時間だけ有給を取得するということも可能でした。
営業職は自分の担当は自分一人で抱えるものなので、その点都合がつけづらいと感じています。
もちろん教師が多忙なことは承知していますが、実際の休みの取りやすさは両者を経験して圧倒的に教師に分があると感じました。
ただ、ネックとしては残業時間とクラブ指導ですよね。
校務員には残業という概念が存在しないので、どれだけ働いてもサービス残業です。
またどれだけ頑張って働いたとしても年功序列の世界ではその待遇は変わりません。
それに嫌気がさして教師を辞めたわけですが、張り合いのなさを感じる部分といえますね。
クラブ指導に関しても本来休日である時間を犠牲にしながら過ごすことになります。
当時は当たり前のことでしたが教師を辞め、土日祝を自分の休みとして取ることができるようになった今は、休みの日に仕事に行くことがかなり負担だと感じてしまいます。
もし当時に戻ったならば…。
自分のチャレンジよりも、”面白さ”を選びます。
私が会社員に転職するという選択をしたのは
自分自身がどこまで頑張れるのか試してみたい
という思いが強かったからです。
自分自身の力だけで確かな成果を得たい。それに伴う対価を得たいと思い新たな世界へと足を踏み入れました。
そしてその厳しさを身をもって痛感しています。
だからといって教師に戻るかというとそうではなく、覚悟をもって飛び込んだ以上、納得が行く間でやりきるつもりではいますが、教師という仕事の現職では気づけなかった面白さが今になって見えてきました。
教師として勤めていると今回挙げた点には気づかなかったでしょうし、分かっていたとしても優先順位は低かったと思います。
両者を経験したからこそ見えてくることがあり、それを今、転職しようか悩んでいる方の参考にしていただきたいと思いこの記事を書いています。
今後も教師から会社員に転職した者だからこそ書ける内容を書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
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